自由奔放に色彩を遊ぶ フローリスト PHOTOGRAPHY BY GOTTINGHAM TEXT BY NAOKI KOTAKA
PHOTOGRAPHY BY GOTTINGHAM TEXT BY NAOKI KOTAKA
原宿の大通りから一本入った裏通りに佇む日本家屋。周囲の喧噪とは無縁の、豊かな緑と日差しにあふれる都会のオアシス。そんな場所に「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」はある。花を軸にファッション、インテリア、フードなどの様々な要素と掛け合わせながら、花の魅力と、その無限の可能性を発信し続けている。同店を営むフローリストの壱岐ゆかりさんに、花との出会いと、花の可能性を拡げる色の存在について話を聞いた。
週末限定オープンで始めた 小さな花屋
花屋を始めようと思ったきっかけは?
数年前までは、PR会社を経営しながら、週末限定で「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」を営業していました。営業を始めたばかりの頃、趣味でつくった花束を「色が素敵ですね」と友人が褒めてくれたんです。その時に感じた喜びが、今でも私のモチベーションになっていますね。自分では、ごく感覚的に作った花束のどこが特別なんだろう?と思っていたのですが(笑)。というのも、他の花屋さんと同じ市場で選んだのだから、出来上がる花束にも大差はないだろうと。後々、気づいたのですが、当時から自然に存在しない色、一歩間違うとエグいと思われるような色に惹かれていました。
「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」の都内にある二店舗では、四季折々の生花は勿論、ドライフラワーやプリザーブドフラワーのアレンジから、押し花やフラワーボックスにいたるギフトアイテム。ウェディングをはじめとするイベントへの装花や、店舗のウインドウやオフィスへの定期的な活けこみ、花器や園芸道具、食物を展開するギフトショップなどを展開。今年3月には、アメリカ・ロサンゼルスにて、陶芸家のアダム・シルバーマンのスタジオを会場に、シルバーマンの陶芸作品に花を活け、販売を行った。同時に、鹿児島の木工作家、盛永省治さんの一輪挿し、栃木の陶芸家、二階堂明弘さんの器、東京のフードクリエイティブチーム、eatripによるお菓子など、日本のものづくりの今を伝える、期間限定のショップをオープン。大盛況のうちに幕を閉じた。昨年12月には、イギリス・ロンドンの、エースホテルロンドンショーディッチにて、ワークショップを開催。「花はもっと自由になれる」のフィロソフィーがどおり、国境を越えて育っている「THE LITTLE SHOP OF FLOWERS」のユニークな活動から益々目が離せない。